家庭菜園の基本的な知識

家庭菜園の1月から3月

若い方も含め、家庭菜園を楽しむ人が増えています。1年を通して計画的に菜園作りを進めるために、土作りから種まき、収穫まで、どのように「わが菜園」を管理すればいいのでしょうか? まずは1月から3月までにすべきポイントを幾つか確認しておきましょう。

1月
1月には、苗床の土作りをしましょう。田んぼの土が手に入れば理想的です。寒気にさらしてよくほぐし、腐葉土などを混ぜ、すきこんで積み上げます。このような土は家庭菜園だけでなく、一般の草花や観葉植物を植える土としても利用できます。鉢植え用には、この土のなかに1割ほどの油粕や鶏糞などをすきこみます。この時期には、道具の手入れをしておくことが大切です。

2月
・2月〜3月にかけては、ジャガイモの種イモを入手し、日の当たる場所に置き、1月に作っておいた土をかぶせ、さらにその上からむしろでおおって芽を出させます。
・小さな温床(フレーム)を作りましょう。そのなかにサラダ菜、レタス、パセリなどの種をまき、ビニールでふたをします。夜はその上からむしろでおおい、ビニールシートをかぶせて防寒します。

3月
・ジャガイモは、3月中旬までには種イモから出た芽を、ひとつの断片にひとつずつ芽をつけるようにして切断し、切り口に灰をつけて植え込みます。
・3月末には、春菊、小かぶ、ホウレン草、はつか大根などの野菜類を菜園に直接まきつけます。
・玉ネギ、イチゴなどは、春のめざましい成長にそなえて、鶏糞、化成肥料を与えてあげましょう。

家庭菜園の4月から6月

家庭菜園は年間を通した管理が大切です。4月〜6月の成長盛んな時期には何をしたらいいのでしょうか?

4月
いよいよ野菜を露地まきできる季節になりました。
・トマトやナス、カボチャなどの苗を手に入れ、植える時期です。まだ寒いこともありますから、ビニール袋などでおおい、防寒をします。
・温床(フレーム)で育てた、レタスやパセリ、ピーマンなどの苗を植えつけます。
・ジャガイモは一株から数本の芽が出ますが、いちばん太いものを1本だけ残してあとはかきとります。
・スイカ、トウモロコシ、枝豆などの種を苗床にまきます。
・イチゴは敷きわらをして、土が跳ねあがるのを防ぎます。

5月
もうほとんどの野菜を露地にまけます。
・トウモロコシ、ささげ、インゲン、枝豆、セロリ、パセリ、三つ葉などの種は、これから暖かくなっていく時期、いつでもまくことができます。
・この時期に苗を植えつけるものは、ピーマン、トウガラシ、ショウガ、セロリ、ネギなどです。
・トマトは、1本だけを立て、わき芽をつまみます。
・ナスは3本立ちにします。

6月
家庭菜園が忙しくなる時期です。
・カリフラワー、ブロッコリーなどのキャベツ類の種のまき時です。
・トマトは花のかたまりが5〜6段ついたら芽先をつまんでシンをとめます。わき芽は見つけ次第、取り去ります。
・ウリ類は、葉を5〜6枚でシンをとめます。小枝を3〜4本出し、小枝の葉を15枚ほどで再度シンをとめ、孫枝を出させます。このようにすることで孫枝に結実させます。
・イチゴは株からツルを出して、その先にできた新株を掘り取り、苗場に仮植えします。肥培をしっかりしましょう。

家庭菜園の7月から8月

7月から8月にかけての夏のこの時期、家庭菜園では、野菜たちの生育も盛んになる一方で、虫たちの活動もましてきます。病害虫防除も早めにしましょう。紫外線も強くなります。日射病に気をつけ、無理をせずに楽しく作業を進めましょう。その一方で、秋まき野菜の準備も始めます。忙しい季節です。

7月
・春菊やインゲンなどの種をまきます。高冷地では夏まきほうれん草なども良いですね。
・箱植えしたパセリや三つ葉は、朝の間だけ日のあたる陰地へ移動させます。病害虫防除を早めにします。
・ウリ類の畑には、わらを敷きます。土の乾燥を防ぎ、ドロのはねかえりがつかないようにする効果があります。ドロのはねかえりは病気を伝染するもとになります。ヘチマやひょうたんなどは早めに棚を作ってあげましょう。

8月
種をまいた野菜の苗がどんどん込み合ってくる時期です。数回にわけて間引きをしましょう。一度にごっそり間引いてしまうと、残した株の根が傷みますし、苗床が乾燥しすぎて枯れてしまうこともあります。
季節は夏本番ですが、菜園では秋の準備も開始します。秋まきの野菜、小松菜、ホウレン草、春菊の種を入手して用意しましょう。
・5月まきのセロリ、6,7月まきのブロッコリーやカリフラーなどのキャベツ類は畑に定植します。
・苗床のイチゴは、さらにツルを伸ばし、その先に孫株ができてきますので、見つけ次第取り去ります。苗用の株だけを残して太らせるのです。

家庭菜園の9月から10月

一日一日と日あしも短くなり、秋風が気持ちよくなってくる時期です。夏の猛暑のなかでの作業は大変でしたが、ずいぶんと楽になります。家庭菜園では、本格的な寒さの到来を前に、秋の作業に入ります。寒冷地ではあっという間に寒くなってしまいます。種まき、育苗、定植、となかなか忙しい時期です。冬が来る前に寒さ対策を完全にしましょう。

9月
夏の猛暑が去り、ほっとしている間もなく、家庭菜園では寒さ対策を考える時期になります。彼岸までには種をまき終わるように計画を立てましょう。ことに寒冷地では、9月上旬には種まきをすませ、日陰で育苗します。9月末には畑に定植できるようにします。
・ホウレン草、春菊、小かぶなどの種をまきます。
・キャベツ類は定植します。
・落花生は、株の両脇に土を置いてあげるとよいです。
・イチゴの苗もそろそろ畑に定植してあげましょう。苗と苗の間は、20センチほど間隔をあけます。

10月
冬から春に収穫時期を迎える葉菜類は、この時期、堆肥などでしっかり肥培します。やせていると寒さに弱いのです。
・この時期には、ニンニクが植え時です。食用のゆり根の植え込みもこの時期です。
・春まきのセロリは外葉で包むようにし、紙を巻いておくと白くて美しい若芽ができます。
・イチゴの苗の定植も引き続き行って良い時期です。
・この時期、エンドウやソラマメをまいても良いですね。冷涼な気候を好み、寒さに強い野菜です。粘質で乾きにくい畑に適しますが、プランターなどに作って花をめでながら育ててみるのもまたいいものです。

家庭菜園の11月から12月

新鮮な緑黄色野菜が少なくなってくる時期です。家庭菜園でちょっと工夫することでいつでもおいしい野菜を食卓で楽しむことができます。ヨシズなどで片屋根にして北風を防いではどうでしょう。春菊、ラディッシュなどが青々として、好きなときに好きな量だけ収穫できます。これこそ家庭菜園の醍醐味ですね。

11月
・カリフラワーは外側の葉で包み、しばります。こうしておけば、食用になる花蕾の部分が葉の中で真っ白に美しく成育します。
・サツマイモ、里芋、ショウガなどは、乾燥した日のあたる場所に穴を掘り、50センチほどのところに埋めて貯蔵します。

12月
この時期は、もう種まきは無理です。土がゆっくりと休み、次の季節に向けて力を蓄える時期です。空いているところには、石灰をまきます。1平方にお茶わん1杯ほどの割合がいいでしょう。しっかり耕し、寒さにさらすことが大切です。
・ホウレン草、春菊、カリフラワー、それにイチゴは、植えたまま冬越しします。北風に吹きさらしにならないよう、北側を囲ってあげるといいですね。
・カリフラワーは、乾燥がひどいと外葉が巻き込み、花蕾の肥大が停止してしまいます。これが「チャボダマ」と呼ばれる現象です。これを予防するために適宜水やりをしましょう。
・ホウレン草は、早いうちから間引きして順次収穫していきます。
・イチゴは、畑が乾けば水をやります。この頃の乾燥は、根の伸長を妨げ、肥料あたりを起こす原因にもなります。

手作り肥料

家庭菜園ブームもあり、園芸店などにはいろいろな市販の肥料が売られています。作物ごとに、あるいは地域ごとに必要な成分を有機質肥料、無機質肥料共にバランスよく含んだもの(配合肥料)、扱いやすいように固形にしたもの(固形肥料)、また速効性のあるもの(液体肥料)など、ずいぶんと使いやすく、便利です。しかし、やはり家庭菜園では、家庭にあるものを肥料に使うこともすばらしいと思います。難しく考えなくても、日ごろ、生活のなかでお馴染みのものがすばらしい肥料になります。是非、土作りから、肥料作りから、手作りしてみてはどうでしょう。

●野菜くず・・・集めて植え穴に埋めておくと窒素肥料になります。
●魚のかす・・・窒素、リン酸、カルシウムを含む理想的な肥料です。
●米のとぎ汁・・・リン酸肥料の役目をします。水やりの代わりに使ってはどうでしょう。
●雑草・木の枝・・・乾燥させて燃やすことで草木灰となり、カリ肥料として利用できます。草木灰は、速効性のカリ肥料です。元肥、追肥として利用します。
●落ち葉・・・堆肥に混ぜ込むことで、土の通気性、水はけをよくし、理想的な培養土を作ります。
*細かく切り刻んだ稲わらに牛糞や鶏糞、米のとぎ汁などを足し加えて、充分に発酵させたものを「堆肥」といいます。これに、木々の落ち葉が堆積して腐り、土化した「腐葉土」を混ぜ合わせます。
*堆肥は、効果がゆっくりとしているので、必ず元肥として利用します。

除草剤使用の注意点

家庭菜園では、なるべく除草剤に頼らずに、除草をしたいものですが、なかなかそうもいかないのが実状ですよね。野菜の生育に悪い影響をおよぼさないように、最小限の使用で、最大の効果が得られるよう、うまく除草剤を活用しましょう。

除草剤使用時の注意点

●除草剤の散布に利用したじょうろや噴霧器を水やりや薬剤散布に利用しない。
除草剤用の器具は、栽培用の器具とは別扱いすることが大切です。

●栽培野菜ごとに除草剤の利用の仕方を変える。
野菜によって発生する雑草が異なります。それぞれに適した除草剤を利用し、その利用方法を確認する必要があります。
たとえば、サツマイモの場合、除草剤は植え付け後に、全面的に土壌処理します。CAT水和剤を用いるのが効果的です。対象となる雑草は、イネ科と広葉雑草の1年生です。使用量は、1a辺り7~10gとされますが、砂土の場合は薬量を減らす必要があります。一方、トマトやナス、ピーマンなどは、定植後の雑草派生前に畝間土壌処理します。除草剤としては、1a辺りに、ジフェナミド粒剤を15〜30ml、あるいはトリフリラリン粒剤を20〜30mlです。茎葉にかからないようにまきます。また、処理後1年以内にはイネ科、ウリ科、あるいはホウレン草を作らないよう注意します。

雑草は、地上部だけを切り取ればいいものから、根部までしっかり掘り上げなくてはならないものもあります。雑草、除草剤、土の種類、そして栽培野菜すべての特性を理解して除草します。

無農薬栽培

せっかく家庭菜園をするのですから、極力、農薬に頼らずに病気や害虫を防除し、健康にも環境にも良い、野菜栽培をしたいものです。
無農薬栽培をめざすための大切なポイントをあげてみます:

1.土づくり

野菜作りのための良い土壌を作ることが、良い野菜作りの基本となります。これは露地栽培にも、プランター栽培にもいえることです。良い土壌というのは、堆肥などの有機物を多く施し、よく耕して通気性と水はけの良い土をいいます。以下の点に気をつけてください。
●畑を清潔に保つこと。
●水はけを良くし、乾燥したときに水やりする。
●チッソ肥料を与えすぎない。

2.栽培方法

土づくりの次に大切なのは、栽培の方法に工夫することです。同じ種類の野菜を毎年同じ場所、同じ用土でつくると、土壌伝染病に侵される危険が高くなります。また、欲張って厚まき、密植をすると苗が弱くなります。
●連作を避け、輪作を心がける。
●厚まき、密植を避ける。
●抵抗性の品種を選ぶ。

3.病害虫の防除

良い土をつくり、栽培方法を工夫しても、病気や害虫が発生することはあります。問題は、いかにその被害の拡大を、農薬を用いずに抑えるかにあります。害虫の最初の一匹、病気の株の最初の一株をいかに早く見つけ、除去するかが、病気や害虫の大量発生を食い止める鍵になります。
●害虫は見つけ次第、手で捕るのが基本!
●病気の株は早めに抜き取る。

4.農薬はもっとも一般的なものを最小限に!
素人判断で特殊な農薬を使うのは危険ですし、まったく的外れのこともあります。最も一般的で、基本的なものを使いましょう。

葉の健康

家庭菜園で、農薬に極力頼らずに健康な野菜を育てるためには、病気の株の最初の一株、害虫の最初の一匹をすばやく見つけ、病気の伝染や害虫の大量発生を防ぐことが大切です。しかし、素人にとって、野菜の健康を判断することはなかなか難しいものです。ポイントを抑えて、よく観察することが大切です。

野菜の健康診断のポイント
1.葉・・・大きさ、形、色、つき方(方向や角度)
2.茎・・・太さ、節と節の間隔
3.花・・・大きさ、形、色、数、開花位置
4.根・・・伸び具合

足しげく畑に通い、野菜たちの健康を適切に判断する、「名医」になりましょう。まずは葉の健康について考えます。

1.葉・・・大きさ、形、色、つき方(方向や角度)
光合成を営み、成長する植物にとって、葉の働きは活発であることは健康の第一条件です。葉の緑が濃く、厚みがあることが健康のバロメーターです。

●葉の色が淡い、葉が小さい、全体的に育ちが遅い
肥料が不足しているか、順調に吸収されていない可能性があります。肥料を充分に与えているのに、このような状態が見られるときは、土が固まりすぎで酸素不足を起こし、うまく吸収できていない可能性があります。
●葉肉の黄変
葉の縁や葉脈近くは緑なのに、葉肉の一部だけが黄色に変色している場合は、カリウムやマグネシウムなど、肥料の一部が欠乏している可能性があります。●紫変
典型的なリン酸成分の欠乏症状です。土壌にリン酸成分が不足しているか、あるいは低温による吸収不良が考えられます。

茎、花、根の健康診断

茎の健康判断

野菜の健康診断のポインで、茎については、茎の太さ、節と節の間隔に着目します。
特に茎の健康判断については、茎や葉柄が太く、節の間隔が開きすぎていないことが、適度な密度で生育していることのバロメーターです。発芽後、何度かにわけて間引きをします。一度に間引くと根を傷める原因になります。家庭菜園では、株間を広めにとっておくことで多少、手入れが遅れても失敗を大きくしないポイントになります。

花の健康診断

花または果実については、その大きさ、形、色、数、開花位置が観察のポイントです。
大きくて、花色の濃い花が健康な証です。また、開花中の花の上には、開いた葉が4~5枚以上ついていることが大切です。1、2枚の場合、実がつきにくく、たとえついたとしてもなかなか大きくならない可能性があります。このような場合は、早めに追肥をします。またとりあえずその時点でついている実を収穫してしまい、まずは株の負担を軽くしてあげましょう。

根の健康診断

根については、その伸び具合に着目します。葉や茎は異常ないのに、どうも発育が悪いという場合は、根の伸びが悪いことが多いのです。株の周りの土を慎重に取り除け、中の様子を観察します。白い根がよく伸びだしていれば問題ありません。土が固まりすぎているのはよくありません。また、肥料が株に密接しすぎ、濃度障害を起こしていることもあります。
また、根に小さな根瘤がついていたり(豆類は例外)、こぶ状にふくらんでいるときは、病害虫に侵されている疑いがあります。

除草剤

家庭菜園でよく栽培される野菜について、除草剤の使用時期と方法、適切な除草剤と対象の雑草、1aあたりの使用量目安および、その使用上の注意点をあげてみます。

●トマト・ピーマン・ナス
・除草剤の使用時期と処理方法・・・定植後に雑草発生前。畝間土壌処理。
・適切な除草剤・1aあたりの使用量目安・・・ジフェナミド粒剤を15〜30ml、トリフリラリン粒剤を20〜30ml。
・対象の雑草・・・1年生のイネ科、広葉雑草
・使用上の注意点・・・茎葉にかからないようにまきます。処理後、1年間はホウレン草、イネ科、ウリ科の野菜の栽培は避けます。

●大根
・除草剤の使用時期と処理方法・・・種まき直後に、全面的に土壌処理します。
・適切な除草剤・1aあたりの使用量目安・・・プロメトリン水和剤を5〜10g。
・対象の雑草・・・1年生雑草。
・使用上の注意点・・・砂土では薬の量を減らします。

●キュウリ
・除草剤の使用時期と処理方法・・・生育期。畝間の雑草茎葉処理。
・適切な除草剤・1aあたりの使用量目安・・・パラコート液剤を15〜30ml。
・対象の雑草・・・雑草一般。
・使用上の注意点・・・展着剤を加えて使用します。パラコート液剤は毒物です。作物にかからないようにします。

●ニンジン
・除草剤の使用時期と処理方法・・・種まき直後に、全面的に土壌処理します。
・適切な除草剤・1aあたりの使用量目安・・・トリフリラリン粒剤を30〜50g、リニュロン水和剤を10〜15g。
・対象の雑草・・・1年生イネ科、広葉雑草、1年生雑草。
・使用上の注意点・・・処理後4ヶ月間は、作づけを避けます。特にイネ科、ウリ科の作物の後作は避けます。砂土では薬の量を減らします。

連作障害

家庭菜園では、畑の広さなど制限もありますが、なるべく多くの種類の野菜をつくってみたいですよね。しかし同じ場所で同じ野菜を連続的に栽培すると、病害虫に侵されやすくなったり、野菜の生育が悪くなります。土中の一部の成分だけが吸収されたり、同じ肥料が施されたりして、土中のバランスが崩れることが原因です。
これを「連作障害」といい、障害を防ぐために栽培を休む期間(輪作年限)が必要です。

連作障害
●連作障害の出やすい野菜と輪作年限
エンドウマメ(4年)、スイカ(4年)、ナス(3年)、ピーマン(3年)、トマト(3年)、ソラマメ(3年)、里芋(3年)、メロン(3年)、白菜(2年)、キュウリ(2年)、レタス(2年)、パセリ(2年)、インゲンマメ(2年)、イチゴ(2年)、にら(1年)、高菜(1年)

たとえば、ナスの場合は青枯れ病、またスイカではつる割れ病が発生した場合、土のなかに病原菌が潜んでいることから、ナスの場合は3年、スイカの場合は4年の休栽期間が必要です。

一方、以下の野菜は連作障害が比較的出にくい野菜です。
サツマイモ、カボチャ、ニンジン、玉ねぎ、小松菜、などです。

ニンジンは連作障害は出にくいのですが、たとえばニンジンの畑で除草剤としてトリフリラリン粒剤、リニュロン水和剤を用いた場合、後作にはイネ科やウリ科の作物の栽培を避ける必要があります。

家庭菜園の場合、ご自宅の庭先で野菜を栽培するのか、貸し農園を利用するのか、あるいはプランターを利用するのか、で作れる野菜にはおのずと限界があります。限られたスペースや日当たり条件、土の種類など、さまざまな条件を考慮して作づけ計画を立てる必要があります。

輪作と輪作年限

同じ場所で同じ野菜を連続して栽培すると、病害虫が発生しやすくなり、野菜の生育も悪くなります。
このような連作障害を防ぐために、それぞれの場所で栽培する野菜を1〜2年ごとに変えていく必要があり、これを「輪作」といいます。また、野菜には、1年休ませる必要がある、2年休ませる必要がある、など、それぞれに「輪作年限」があります。家庭菜園など限られたスペースで、より多くの野菜を栽培するためには、連作障害の出やすい野菜とそうでない野菜、および各野菜の輪作年限を考慮したうえで、「作づけ計画」を立てる必要があります。

野菜の輪作年限・・・休栽期間と主な野菜

●休栽期間1年・・・にら、高菜
●休栽期間2年・・・白菜、キュウリ、レタス、パセリ、インゲンマメ、イチゴ
●休栽期間3年・・・ピーマン、なす、トマト、ソラマメ、里芋、メロン
●休栽期間4年・・・エンドウマメ、スイカ

このようにナスの場合は3年、スイカの場合は4年の休栽期間が必要です。これは土のなかに病原菌が潜んでいるような、ナスでは青枯れ病、スイカではつる割れ病といった病気があるからです。

作づけ計画を立てるときには、特に連作障害が出やすい野菜の連作を避けるだけでなく、肥料や水やりの必要度や容易さ、および各野菜の栽培に必要な面積を考えるだけでなく、耕す深さの異なるものにするなどの工夫も有効です。土の改良にもつながり、収穫物の量や品質を高めることができます。

プランター栽培と鉢栽培

畑がなくても家庭菜園は可能です。プランターや鉢でも、ナスやエンドウマメ、ピーマンなど、あまり大きくならず、根を広く張らない小物野菜なら立派に収穫できます。

プランター栽培と鉢栽培

プランターや鉢栽培は、ベランダ菜園向きです。ひとくちにプランターや鉢といっても、いろいろな大きさがありますが、場所に合わせ、できるだけ土がたくさん入るものが使いやすいでしょう。

●プランターで栽培しやすい野菜

プランターでは、概して、生育期間が短く、あまり大きくならず、根を張らない野菜が作りやすいです。クレソンやホウレン草、春菊、小松菜、セリ、ネギ、などは無難です。その他、ニンジンや小カブ、枝豆も作ってみてはどうでしょう。

●鉢でも栽培可能な野菜

プランターよりもさらに条件が厳しくなりますが、鉢でも大丈夫な野菜はたくさんあります。ニラ、ホウレン草、春菊、小松菜など、緑の野菜が少ない時期に、たとえわずかでもご家庭で栽培すると食卓をほっと和ませてくれます。イチゴやサヤエンドウ、ソラマメは、花もかわいらしいので、鉢植えし、観葉植物と並べて置いても良いインテリアになります。

ホウレン草や小カブは、家庭菜園初心者にも比較的作りやすい野菜です。畑デビュー前に、まずはプランターや鉢栽培で、これらの野菜から気軽に始めてみるのもいいですね。

一方、トマトやキュウリ、大根、キャベツなどは、根を張りますし、茎葉が茂るため、畑栽培に適した野菜です。

栽培面積

家庭菜園にはどれほどの広さの畑が適切なのでしょうか? ご家族で日曜日や休日に野菜作りを楽しみたい、という方なら、6坪(20?u)程度の広さの畑がつくり応えがあるかもしれませんね。
栽培面積は、家庭菜園をする人の経験年数や技量、栽培に費やせる時間と労力、栽培したい野菜の種類、およびご自宅からの距離、など、の条件から決めます。1年間を通して無理のない作つけ面積にしましょう。

どの程度の広さで、どのような野菜の栽培が可能なのか、目安をあげます。

●1坪(3.3?u)
ホウレン草、小かぶ、小松菜などを次々種まきしていくのに適しています。インゲンマメもいいでしょう。面積が非常に限られていますので、ごく少量で食べ応えのある野菜・・・パセリやシソなどもいいですね。1坪だけでは限りがありますので、プランター栽培や鉢栽培で補うと良いでしょう。

●5坪前後(10〜17?u)
5坪あれば全体を3区画ほどにわけ、それぞれの区画で季節に応じて野菜を植え、栽培し、収穫していくと良いでしょう。

●6坪以上(20?u〜)
年間を通していつでも何がしかの野菜が食卓をにぎわせてくれるような作づけ計画を立てましょう。小さい畑では無理な大型の野菜、たとえばトウモロコシやスイカ、カボチャなども広い畑なら栽培できます。大根や豆類もいいですね。畑がご自宅から遠い場合は、あまり手のかかる野菜の栽培は不向きですし、収穫時のことも考え、毎日収穫する必要があるようなものも避けましょう。

1坪のミニ菜園

家庭菜園では、できるだけ種類の多い野菜を、年間を通して収穫できるようにしたいものです。広いと耕したり、草取りが大変なことは確かですが、狭い場所であれもこれもといろいろな野菜を作ると、茎葉が重なり、日陰の部分ができてしまいますし、作業もしにくいものです。ある程度の余裕をもって作ることが良い収穫につながります。とはいえ、誰もが広い菜園を持てるわけではありません。プランターや鉢でも充分、家庭菜園は楽しめますし、たとえ1坪であれ、畑があればもっと可能性は広がります。

ミニ菜園向きの野菜の条件をあげます。これらの条件を考慮しながら、作づけ計画を立ててください。

1坪(3.3?u)前後の菜園に向いている野菜
●草丈が伸びず、根を張らない、小型の野菜。
●生育期間が短く、連作障害が出にくい野菜。
●少量の収穫でも楽しく食卓を飾ることができるよう、1回に食べる量が比較的少ない野菜。

これらの条件から考えると、ホウレン草や小松菜、春菊、小カブ、ラディッシュなどが適しているといえます。ニンジンなどもいいでしょう。またインゲン豆、枝豆、あるいはイチゴなども比較的小さな面積でできます。

面積が限られているからこそ計画が大切です。たとえば、3月に、ラディッシュ、ホウレン草、小カブの種をまけば、5月ごろに収穫できます。そのあとの土地を利用して、今度は5月にインゲンマメやしょうがを植えます。インゲン豆は8月終わりには収穫できますから、その土地に春菊の種をまいてはどうでしょう。春菊は12月には収穫期を迎え、緑の野菜が少ない冬の時期に食卓をにぎわせてくれる貴重な存在となります。

ようは頭の使いようです! 小さな家庭菜園でより大きな収穫を迎えましょう!

野菜の保存と呼吸

家庭菜園で、手塩をかけて育てた野菜たちです。少々虫に食われたキャベツやホウレン草、ちょっと曲がったキュウリ、太さがまちまちの大根など、自分の家庭菜園で採れたものはどれもおいしいはずです。自分で育てた野菜なら、農薬の心配もなく安心して食べられますよね。

収穫した野菜をあますところなく有効利用し、おいしく食べるのも、家庭菜園の大切な一部です。収穫したらできるだけ早く、私たちの身体に取り込んでしまうことが第一ですが、そうとばかりはいえません。したがって、野菜を新鮮に保存することが大切になるのです。

野菜の呼吸

野菜も人間と同様で、呼吸をすることで生命を保っています。根や葉を失うと、もはや外から栄養を補給することができなくなりますから、自分のなかに蓄えた栄養分を消費して生きていくことになります。つまりそれだけ栄養成分が失われ、味も落ちてしまいます。
呼吸を抑えるためには、収穫した野菜をなるべく早く冷却することが大切です。適度に酸素や炭酸ガスを通る、保存に適当な専用のプラスチックフィルムの袋に入れて密封するようにします。
*一般のビニール袋では、完全な密封状態となってしまい、野菜は酸欠で窒息してしまい、逆効果です。

野菜の水分
水分が失われることも野菜の品質低下の大きな要因です。たとえば、キュウリ、ナス、ホウレン草などは、水分が急速に失われてしまいがちな野菜です。一方、大根やトマトなどは比較的水分を保ちやすい野菜といえます。

野菜の呼吸を適度に抑制し、水分を保つようにすることが野菜を新鮮に保つ鍵です。

栽培に挑戦してみたい野菜

家庭菜園を楽しく、長続きさせる秘訣は、失敗なく確実に収穫できることです。家庭菜園1年生のうちは、比較的易しい野菜からはじめるといいでしょう。野菜作りの腕があがってきたら、徐々に難易度を上げ、ちょっと珍しい野菜なども作ってみたいものです。

家庭菜園で人気の野菜たち
●初級・・・比較的簡単に作ることができるお馴染みの野菜です。
ピーマン、ナス、ホウレン草、大根、キャベツ、など。

●中級・・・家庭菜園にちょっと慣れてきた人向きです。
トマト、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、など。

●上級・・・難しいですが、是非、挑戦してみたい野菜や果物です。
キュウリ、スイカ、メロン、イチゴ、枝豆、など。

その他、最近スーパーの野菜売り場には、珍しい野菜が並ぶようになりました。家庭菜園でもそのような野菜を作ってみたいですね。案外簡単に作れるものがあります。またハーブ類は畑がなくても、プランターや鉢で手軽に作ることができますから、ベランダなどで作ってみてください。

●ちょっと珍しい、作ってみたい野菜・・・イタリア料理などでお馴染みの野菜です。家庭菜園で手作りすることができます。
リーキ、ズッキーニ、ビーツ、エンダイブ、アーチチョーク、など。

●中国野菜・・・比較的強い野菜が多いです。是非、家庭菜園で挑戦しましょう。
チンゲンサイ、ツルムラサキ、エンツァイ、タアツァイ、など。

●ハーブ・・・一度にたくさん食べる野菜ではないので、プランターや鉢で手軽に作れます。葉がきれいなので観葉植物代わりに栽培し、サラダや肉料理のつけ合わせにちょっと添えるとおしゃれですね。
クレソン、コリアンダー、セージ、ミント、スイートバジル、など。

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